ミカエル・クローン=デリ、引退に寄せて。
2020年7月8日、ひっそりと一人のサッカー選手が正式に引退を発表した。
その名は、ミカエル・クローン=デリ。デンマーク出身のMFで、コアなリーガファンなら一度は聞いたことのある名前ではないだろうか?
スペインではセルタを皮切りにセビージャ、デポルティーボ・ラ・コルーニャの3チームで8シーズンに渡ってプレーをした実力者である。
昨年末にデポルを退団。その後の消息がつかめず、筆者はヤキモキしていたのだが先月末に代理人を通して正式にプロサッカー選手として引退を表明したそうだ。
セルタ系のメディアでも一切報じられることが無かったので、気づくのに1か月以上もかかってしまった・・・(みなさん知ってました?もしかして知らなかったの自分だけ?)
細かい経歴はウィキペディアさんに譲るとして、個人的な感想をつらつらと綴っていこうと思う笑
じつは彼は自分にとって初めて実際に目の前で試合をプレーしている姿を見た事のあるセルタ在籍経験のある選手なのである。(まどろっこしいw)
3年ほど前、カシマサッカースタジアムにセビージャがやって来た時である。ちょうどベリッソが監督就任、そしてマイ・スウィート・アイドルのノリートがスペインに電撃復帰。
これは行くしかない!と月末で苦しい家計&積み重なったタスクを丸め込んで、電車に乗り込んだのを覚えている笑
もちろんお目当てはベリッソとノリート。ノリートは選手登録されていなかったが、練習くらいは見られるだろうと思って向かった。
ということで、試合前はデリに関して正直、豪華なおまけみたいなものだったりした()
(なんならバネガとエンゾンジの方が見たかったw)
というのも、自分がセルタを本格的に追い始めたのはちょうどクローン=デリがセルタを退団した後のシーズンから。その前のシーズンの春先のリーグ最終盤の試合はハイライトを追いかけていたものの、がっつりプレーを見たわけでは無いのである笑
試合は後半開始と共にデリさん投入。
セルタ時代、ベリッソにサイドの選手から中央の選手に魔改造されたデリ。
セビージャでの1シーズン目はサイドでのプレーが多かった気がするが、その日はトップ下っぽいポジションだったと思う。
実際にプレーを見始めた途端、良い意味で驚かされたのを鮮明に覚えている。
俊敏性やバネガのような派手なロングフィードは見せないものの、とにかくボールを隠すのが上手いのである。どんなに鹿島の選手が激しく寄せても何故かボールに触れられない、無理に取りに行くとたちまちファールになる・・・
今でもなかなか言葉に表せないのだが、フィールドにいるどの選手とも違う別種の巧さがソコにはあった。
見かけも冴えないし(笑)、とても地味ではあるのだが、まだ原型さえ作れていないチームに調和をもたらしていた。
気づけばサラビアでもホアキン・コレアでもなく、クローン=デリを必死に目で追いかけてる自分がいた。
後にも先にも、こんな感覚を感じた選手は彼一人である。
その後、こちらが見るのもゾッとする大けがを負ったデリ。
そして見事に復活を遂げたデリ。
セビージャでの出場機会が減ったことで、かつての宿敵デポルに移ったことはショックだった。しかし、それでも応援したくなるようなものが彼の後ろ姿にはあった。
なんならプレーをもっとよく知ってる方が沢山いるとは思うが、自分にとって少しだけ特別な選手だったのでブログに書かせていただいた笑
最後に彼の人となりが良く分かる動画をお見せしよう。
撮影者は私である笑
(本来はあまりよろしくないのだが・・・ほとんど選手は残ってないし時効ということでw・・・あとでコッソリ消すかも)
ロンドにて、ノリートに鬼を押し付けられるデリ。諦めた途端に駆け出してキレイにスライディングタックル。うーん、渋い笑
最後になるがヴァス・シストちゃん・ヒュルサガー・イェンセンと繋がるセルタのデンマーク・コネクションの礎を築いてくれたことは感謝してもしきれない。Embed from Getty Images
特にヴァスに関しては彼が推薦してくれたなんて噂も聞いている。彼がいたからこそ、ELの大躍進と8シーズンに渡っているプリメーラ生活があるといっても良いかもしれない。
今後、どのような道を彼が歩むのかは分からないが、より沢山の幸福が待っていることを心から祈りたい。
さらば、また会う日まで、クローン=デリ!!
※一部情報が異なっていたため、訂正しました