Celtaの通信簿 18/19シーズン総集編その1
今回から3回程度に分けて18/19シーズンを振り返ります。
まずは冬に振り替えれなかった中盤より前の人から!
CH
スタニスラフ・ロボツカ
昨シーズンはリーガ38試合出場と大車輪だったロボツカだが、前半戦は怪我の影響もあってやや出番が少なかった。さらにモハメド期は慣れない2センター採用も逆風だった印象。片方のサイドに縛られ息苦しそうだった。やはりロボツカは中盤の底で左右に動き回りながら試合を作っていく方が合っているように感じた。結局ベルトランと一方が前に出て片方が底に付くという形になっていったものの、どちらかが苦しそうなプレーをするという不憫な結果に。
またドリブルで剝がしていく能力を買われ、より攻撃的なタスクにも挑戦していた。が、シストちゃんの役割と丸被りで何だかもったいない使い方だった()
それでもプレー精度はバツグン。ドリブルは41回中29回成功と、ずば抜けていた。
カルドーソ・エスクリバに変わっても安定の活躍。後半にかけてコンディションが良くなっていった節もある。
セルタ浮上のキッカケになったビジャレアル戦、後半のプレーは凄まじかった。毎試合アレをやっていたらバロンドール級w
後半戦はオカイの前でプレーをしつつ、時々ビルドアップ時に入れ替わってCB間に落ち相手のマークを乱すプレーが光っていた。
ゴール前までヌルヌルとボールを運べるもののシュート・対面のドリブルは得意でないため選択肢に困る場面も多かった。
(これでミドルシュートまで持ってたら違約金5000万でも足りないですw)
相変わらず移籍の噂が絶えない。セルタで終わるような選手では無いのは火を見るより明らかなので、夏にも移籍と思われる。
クラブで鬱憤が溜まっていたのか、代表活動中に先輩たちとキャバクラに行って監督を辞任させたwww
フラン・ベルトラン
驚異の19歳。10代とは思えない強心臓なプレーでセルタのビルドアップを支えた。
オカイの怪我で開幕スタメンを掴むと前半戦はスタメンに定着。ロボツカの相方として活躍してくれた。
前半戦のパス成功率が90パーセント越えと5大リーグのMFの中でトップクラス。しっかり縦パスも出せる。剥がす部分においてもワンタッチ一閃、一発で相手の逆を突いていくのが素晴らしい。相手を一度背負ってから俊敏性で相手の逆を突くことが多いロボツカとは、また違った凄みがある。
さすがに周りのDFのフォローが少なくなると自陣深くで危ない場面もあるが、それは気の利かないCB達のせい() ロボツカがなんでも一人で出来ちゃうからって、他の人にもそれを期待するのは酷である。
カルドーゾ期ではやや序列がダウン。バルサ戦では、怪我のアスパスに代わり、本来の中盤の底付近ではなく、トップ下のような前のポジションで出場。ボールの循環には持ち前の視野の広さとパスセンスで寄与していたものの、わざわざ彼がやる必要があるかと言われると・・・
とはいえ、セットプレーから1得点。本人的には新しいことにチャレンジするのは嫌ではないらしいw
ラ・ロハの将来のためにも才能を潰さないように大事に育てたい笑
ロボツカが復調・オカイの高さが重宝される様になると出番が減ってしまった。
ただベンチが頼りない中では重要なカードだったかと。(その割にはFW投入されたりと扱いが雑w)
フットボールドラフトの若手スペイン選手のファイナリストに残っており国内でも有数の才能であるのは確か。
ロボツカが抜ける事が濃厚なので、何とか一夏守って来年は彼の年にしたい。
彼女とアツアツなのが羨ましい。
オカイ・ヨクシュル
PSMの怪我が響いてスタメン争いに出遅れると、前半戦は途中交代で出ることが多かった。
オカイの持ち味は何といっても高さ!ちびっ子の多いセルタ中盤に足りない強さを補ってくれる。数字上でも空中戦勝利数回と飛びぬけている。セットプレーのターゲットとしても優秀。2ゴールを挙げているが、ぎりぎりオフサイドだったシーンもあったので来年はもっと決めてくれるかも。
組み立ての部分でもキラりと光るものを見せてくれる。ロボツカ、ベルトランよりもロングパスが多くなるのが一つの特徴。
カルドーゾのピボーテにおけるファーストチョイスであり、監督が代わってから出場機会が激増した。孤立させたSBにサイドチェンジを供給する重要な役割を任されていた。
ロボツカ、ベルトランとの共存が課題であったが、本人の推進力の向上とロボツカが一つ前のポジションに慣れていった事で解決。
二人に比べて俊敏性は欠けるものの、上体のフェイントで抜いていく様はなかなか面白い。
ガッツ溢れるタックルでチームのピンチを何度も救ってくれた。
来年も是非セルタでお願いします
(`・ω・´)
ブライス・メンデス
今季前半戦はブライスのシーズン!と言いたいほどの活躍っぷりだった。
昨シーズンより思い切ったプレーが多く、トップチームに完全になじんだ。特にアスパス、マジョ、ブライスのカンテラトリオが繰り出す右サイドの攻撃は見ていてワクワクさせてくれるものだった。
ボールの引き出し方、パスの選択に明確な意図を感じられるプレーが多いのも魅力。個人的には彼のパス&ゴーの動きだしが好き笑
ヌルヌル剥がせるドリブルも健在、そこに思い切ったシュートを打てるようになったのが今の活躍に繋がっていると思う。エッジのよく利いたシュートはアスパスを彷彿とさせる。
守備面でも読みの利いたインターセプト、積極的なプレスで2次攻撃につなげてくれている。
A代表にも初選出。ゴールまで決めてしまうという折り紙付きのデビューだった。
後半戦はアスパスの負傷が響き、消えがちなシーンも。ビルドアップの負担が増えて、なかなかゴール前で効果的にボールを触れない場面が多かった。
それでもサイドに張ったところからスッとインサイドレーンへ入って、ボールを捌く動きは右サイドの攻撃の要だった。
守備が危うい攻撃陣の中でも安定したネガトラを見せてくれるので安心感がある。
右足のキックが残念すぎるのは今後の改善ポイント。
不思議なくらい移籍の噂は聞かない。アスパスの次を担う選手になる可能性を秘めており、バンディエラとして来年以降成長してくれる事に期待。
ホサべド・サンチェス
カルドーゾになってから最も立場が好転した一人。復活のホサべドといってよい返り咲きだった。
モハメド期は天日干し状態。それでもめげずに練習しており、彼の代理人からは「移籍しなかったことをホサべは後悔していない」なんて話も上がっていた。
監督が代わると事態は一変。ロボツカが怪我であることに乗じて初戦で抜擢。ビルドアップに関わりつつ、オカイの前でボールを捌くタスクを与えられると、そこそこハマった。当初はコンディション不良も目立ち、中盤としてはやってはいけないミスも見られたが徐々に改善。
ロボツカやベルトランのように一人で局面を変える技術は持っていないが、中盤の前めのポジションでワンタッチでパスを捌き、ボールをサイドへ供給してくれた。SBがアイソレーションを生かして攻めるカルドーゾにとって貴重な人材となっていた。
しかしカルドーゾは成績不振で解任。最後の試合となったエイバル戦後のベンチにて一人で絶望する姿は筆者の胸を打った
(;∀;)
エスクリバ期では後半途中出場がチラホラ。ゴール前の飛び出しと守備固めが目的で投入される事が多かった。中盤の選手として扱われる事が多いが筆者的にはセカンドトップ的に使ってあげた方が輝くのではないかと考えている。
去就は不明。悪くはない選手なので個人的にはチームに残って欲しい。
マティアス・イェンセン
今年のイケメン枠はしょげてる顔が多かった・・・
怪我で出遅れると、そのままスタメン争いからずるずると退場してしまった印象。モハメド期には一度だけ右サイドで出場も本来の力を発揮できなかった印象。それでもボールタッチやパスセンスは光るものがあり、ぜひとも中央で見たい。と思った矢先に再び怪我。
離脱期間中に監督が代わり、復帰後もアピール出来ない状態が続いていた。つくづく怪我のタイミングが悪すぎる・・・
カルドーゾ期にも一度チャンスがあったが決定的なクロスをブライスが不意にしたので評価は上がらなかった…
一方でデンマークのアンダー代表ではキャプテンとして大活躍。ドイツを倒すなど才能には申し分無い。
チーム状況がもっと落ち着いてインテリオールとして使える状況があれば活躍すると思う。
個人的に来期、最も期待したい一人。
ネマニャ・ラドヤ
夏に移籍に失敗。その後、シーズン通して1試合もメンバー登録されないという完全完璧なる干物状態。
どんなに中盤に怪我人が出ても召集されないという徹底ぶり。
唯一練習風景の写真に険しい顔で見切れる姿がバイタルサインだったw
ベルトラン・オカイという強力なライバルが現れたのも大きな影響。確かに今のセルタには守備職人に近いラドヤの居場所は無さげ。
ベティスが引き取ってくれるとか。
WG
ソフィアン・ブファル
今季のドリブルマシーン。ドリブル成功数は驚異の139回とメッシ・アザール・アグエロと言ったメンツを超える回数w
多分、今季の世界一w
モハメド期の最初は終盤に投入、少ない人数でロングカウンターを仕掛けるための要員であったが、得点を決めたジローナ戦からは先発出場が目立つように。
左サイドの低い位置からバッサバッサとドリブルで切り倒していく姿は圧巻。相手のイエローの枚数が面白いように増えていく()
シストちゃんに比べ小さいモーションで縦にしっかり抜けるのがグットポイント。高速ダブルタッチは分かっていてもDFの間をぶち抜かれてしまう。
カルドーゾになってからは完全に左のファーストチョイス。ブファルは外にしっかり開いてからのドリブルが魅力。ということでカルドーゾお得意のSBが幅を取るのではなく、普通にSHがアイソレーションを使う仕組みに左サイドはなっている。
セルタのビルドアップの出口として機能しており、戦術を曲げるくらい重宝されていた。
課題は守備。明確な指示があればちゃんと戻ってくる気がするが、後半疲れてしまったり判断が難しい場面でマークを緩めてしまう癖が見られる。反対側にボールがある時予備マークをしない辺りもカウンターを受ける原因に。多少は目をつむってあげても良い気はするが・・・
またボールをロストしたシーンは格好のカウンターの餌食になる。どうしようもなくなる前にボールをはたいて逃がしてくれるだけマシだと思っている()
ゴールと得点は少ないが、全部眼を見張るようなゴラッソ。ジローナ相手に1点ずつ取ってくれたのも大きかった。そんなに狙わなくて良いからもうちょっと枠に飛ばしてくれよ…w 枠に飛んだシュートは32本中16本と半分。
買取額が高い事とゴール数・守備の貢献度が釣り合ってない感じがするので個人的にはレンタルバックでも良いかも。
残ってくれるなら、来年はもう少しゴールかアシストを…笑
ピオーネ・シスト
W杯に出てた勢い(?)そのまま、序盤は左WGのファーストチョイスに。中盤と前線が分断されやすいモハメドセルタにとって貴重な橋渡し役だった。
レバンテ戦では驚きの個人技から1ゴール1アシスト。これは今年はゴールにアシスト、ビルドアップと八面六臂の活躍か!?と一部のファンを沸かせたが、その後は鳴かず飛ばず。ジローナ戦できっちり弱点として叩きのめされると、その後はブファルにポジションを譲っていった・・・
原因としてはとにかく前へ抜ききれない事。ライン間で受けてもDFを周り道するような形でなかなか厳しい。ボールロストはやや減ったように感じるが、サイドラインをまたぐようなプレーより中央をフラフラしていることが多くなったように感じる。ネガトラ時に左サイドがポッカリ空いて、カウンターをモロに食らう原因の一つになっていた。
ドリブル成功も25回で失敗は15回とパッとしない数字。
またプレーがパターン化され過ぎていて読まれやすい傾向にあるのかなとも感じる。持ち前の身体能力だけに頼らず、相手を見てサッカーが出来るようになると一回り成長できそう。
その後2回の監督交代を経ても事態は好転しなかった。
インスタで謎投稿を連発。シーズン終盤には果物だけで21日間過ごすという理解不能なチャレンジを行って失敗した。何かとピッチ外の話題が多いシーズンとなってしまった・・・
本人はいたって真面目なので、来期の盛り返しを期待したい。
アンドリュー・ヒュルサガー
夏にレンタルもされず、天日干しコースまっしぐらと思われたが意外に活躍の場もあった。国王杯でそこそこのアピールに成功すると、べティス戦でまさかのWB起用で途中出場。美しいクロスから2アシストをマークし同点劇に貢献した。
その後、カルドーゾになってからはビジャレアル戦で途中出場を果たすもミスを連発。またも序列を下げてしまった印象。
それでもエスクリバ時代は守備固めで投入されたりと使い所はあった。
得点は無かったが、3アシスト。シュートも枠に飛ぶし、クロスの質もなかなか良い。ハードワークも厭わないのも好感触。ただちょっとウイングとしては物足りない場面も見られる。
WBとしての才能を開花させる監督に巡り合うか、ウィンガーとしての能力が本領発揮することに期待。
エムレ・モル
…3人の監督にキッチリシッカリ干された一年。4人中3人の監督と衝突して計5回以上練習から追放されているwww
復活が期待された今季だが、ノーゴール・ノーアシスト。ブライスの定着、ブファルの活躍、ブテブズの到着とシーズンを通して出番が無かったw
市場価値が爆下がりしており、完全に不良債権状態。売ろうに売れない泣
来期の監督はモルの市場価値を上げるという無理難題をフロントから押し付けられるに違いない()
終いには代理人にも呆れられ、自宅には強盗に入られるなど散々なシーズンだった。
引き取ってくれるクラブ大募集中。
CF
マキシミリアーノ・ゴメス
デビュー当初の鮮烈さは薄れたものの今年も大活躍。
強力なヘディングに加え、針の穴を通す様な繊細なシュート、ゴール前での駆け引きの旨さは一味違った。
しかしアスパス不在時は空回り。ポストプレーをしに降りてくるのは良いものの、強引なドリブルがカウンターの餌食になったりゴール前の局面に集中出来なかったりと本来の持ち味を出せなかった。
終盤戦も移籍の話に浮足立っているのか変なミスが多かった。一方で、さっきの決めないで何でそんな難しいの決めるー!?というゴールも。
今夏、移籍筆頭候補。基本どこのチーム行っても活躍する実力はあると思うが2トップのチームの方がベターかもしれない。
ロボツカよりビッククラブ移籍後が心配だったりする。
デニス・エッカート
PSMでゴールを決めたのが余程インパクトがあったのか、モハメドに気に入られる。マキゴメ離脱時にトップチーム帯同が多かった。
しかしアスパスとの連携不足が目立ちなかなか思うような結果が出なかった。原因の一つとしてマキゴメより裏のスペースへアタックする意識が高いと感じた。シュートの精度も悪くはないが、もう少し威力が出ると良さげ。
その後もBチームとトップを行ったり来たり。
Bチームはアペー君の長期離脱とともに得点力不足に悩まされていたが、なかなか救世主となることが出来なかった。
デポルのBチームとのミニ・デルビーでは中学生の球技大会みたいなゴールを決めている()
#ONosoMiniDerbi é noso! 💙 Vitoria do Celta B en Abegondo con gol de Dennis Eckert. 👏🏻 Bravo! #ACanteira pic.twitter.com/ax2pUbd0Mt
— RC Celta (@RCCelta) 2018年9月2日
冬にオランダ1部、エクセルシオールへレンタル。
説明不要の神。セルタの生ける伝説であり救世主。
どの監督の下でもゴールを量産。様々なタスクを高レベルでこなしチームの心臓だった。
後半戦に入る直前に怪我で離脱、復帰するも再離脱と3か月の不在がチームに計り知れない打撃を与えた。この間、わずかに1勝(なぜかセビージャに勝ったw)
カルドーゾのクビが飛び、エスクリバに交代した後、ビジャレアルとの残留争い直接争いで復帰。
後半、直接FKを含む2ゴールを叩き込んで大逆転劇を演出した。交代後の涙は今後何十年と語り継がれるに違いない笑
最終的に20ゴールで3年連続サーラ賞、チームも残留を決めるという結果に。驚異の1試合あたり0.72ゴール。今年もセルタはアスパスにおんぶにだっこ状態だったw
左右両方のハーフスペースに顔を出して起点を作り、そのままコンビネーションで突破orサイドに一発で展開といったトップ下のようなプレーから、カウンター時のボール前進係。さらにサイドめいっぱい広がったところからカットインするウィングのプレー、ファーストディフェンダー、もちろん点取り屋も。あらゆることをいっぺんにこなしていた。世界中探しても、これだけやれる人は数えるほどしかいないのでは笑
ゴール前の駆け引きはマキゴメを囮に使ったり使われたり。ゆっくりペナルティエリアに入ってきて加速、クロスにフリーで顔を出す技術はとてもお手本になるのでぜひ見て欲しい。
シュートは利き足の左に加え右も頭でも得点。難しい態勢でのシュートやヒール、ループシュートもぴか一。今季初めてPK,FK、両足、頭から得点したリーガの選手になった。
残留争い中に2024年まで契約延長。家族みんなでクラブの動画に出演してくれたりとホッコリさせてくれた。
アスパスが次に狙うべき記録はクラブでのプリメーラ最多得点とサーラ賞(サーラ賞自体は2006年からなので正確にはスペイン人得点王)の連続記録。もう30を超えたが、まだまだやってくれそうな予感。
アスパスが元気なうちに欧州圏・クラブ初のメジャータイトルもぜひ狙って欲しい。
セルティスタの魂を体現するアスパスの伝説は、これからも紡がれていく・・・
GK・DF編に続く!