とあるセルティスタの落書き帳

サッカークラブ、Celta de Vigoについて書きたいことをノホホンと書いていくブログです。管理人は多忙(怠惰)のため、基本的に気が向いた時に集中更新になると思います笑 カードゲームGwentについてもチマチマ書いていきます(´ω`*)

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プレイバック!Celta! 第4節ジローナ戦 ~後編~ エウゼビオの罠とモハメドの反撃

 前編はこちら!

プレイバック!Celta! 第4節ジローナ戦 ~前編~ ウンスエの光と影 - とあるセルティスタの落書き帳

 

あらすじ:モハメドはリトリート時の陣形から逆算することで、守備とビルドアップ・攻撃のバランスを取ることに成功した。それに対してジローナは・・・


まずは一つのツイートを見ていただきたい。

 

1,2枚目は各チームの先発メンバーの平均ポジションとパスのデータを示したものです。

選手の円が大きいほどボールタッチ数が多く、選手間の矢印は4本以上パスが通ったコースを示している。また矢印が黒いほど、その間でのパス交換が多かったことを表しています。 

 

そして3枚目はの上のグラフは期待点(実線)と実際のスコアの変化(点線)を時間経過と共に追ったもの。

ちなみに期待点というのは、シュートを放った位置、角度、シュートへのアシストの質などから統計的に導きされた数値で、これらのプレーから見込まれる点の確率を示したものです。

(例えば、左のペナ角からドリブルでカットインし、ゴールに対して60度の角度でシュートを放ったとする。機械に学習させた統計データを参照し、このプレーの100回のうち50回点が入っていれば、期待点は0.50点となる。また期待点は試合のスコアの状況などにも左右される。)

 

そして下のグラフは、期待点と実際に入った点の差を表しています。(偏差)

 

そして、この試合の肝となる部分がここに隠されているのです…

 

ジローナのカウンター

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基本的にセルタの弱点である左サイドに張った、ポルトゥにボールを託すことを狙っていきます。

ジローナはまず、セルタのビルドアップを破壊しにきます。GKまでボールが下がった場面では3バックに3トップを当てて、アルバレスにロングボールを蹴らせます。

これに関してはモハメドもロングボールを蹴ることを躊躇しないので、特に問題ありませんでした。

 

また、右サイドのボルハ・ガルシアが中に絞りつつ低い位置でロボツカへのプレッシャーを高めていました。

ロボツカはパスマップを見る通り、それでも難なくパスを通しまくっていますが、他の部分で悪影響が出ていました。

ロボツカへのマークが厳しいので、必然的に左側のベルトランから始めるビルドアップが多くなっていきます。すると芋づる式にビルドアップを助けに来たシスト、それを受けに来るマキゴメの位置が下がってきてしまいました。

ジローナはこの2人にドリブル開始地点を2ライン間の外に持って行くことに成功。強引になりがちなドリブルを2対1で刈り取ってカウンターにつなげていきました。

 

ですが、前半の20分まではセルタにボールをしっかり握られてなかなかロングボールのこぼれ球以外はチャンスを作れませんでした。期待点も1回チャンスがあったのちに横ばいになっています。

 

しかし先制点は突然ジローナに。ハンド疑惑でセルタのトランジションが遅れると一気に左サイドでWBとカピタンが1対1に。味方の詰めが甘く、クロスをあげられてしまい、それをストゥアーニに頭で決められちゃいました・・・

技ありのヘッドのストゥアーニは流石としか言いようがありませんが、カピタンのフォローにロボツカが突っ込んでくれれば・・・と、つい思ってしまいます笑

 

その後もセルタはボールこそ保持できますが、ジローナのタイトな2ライン間と5バックに苦しめられます。

30分には降りてきたマキゴメのゴリブルが刈り取られ、ストゥアーニ、ポルトゥの2人だけでカウンターを完結させられてしまう場面も。

 

32分にパスの出しどころが無いカブラルからの浮き球を、マキゴメが上手く処理しファールをゲット。これをアスパスがシンプルに沈めて同点に戻します。

一昨年にゴロのFKをバッチリ決めているアスパスということで、ジローナの壁を飛ばせなかったのは大きいですね。まさに神の後光w

 

しかし、その直後にまたもマキゴメのドリブルに強く当たられて流れを失うことに。ファールアピールのマキゴメが逆にハンドをとられると、その流れからジローナがCKを獲得。

これをアルカラが素晴らしいヘッドで勝ち越しゴールを決めてしまいます...

ここで注目したいのはアロンソ開幕戦に引き続きマーカーを放してしまっています・・・彼をCBでは当分使いたくなくなってきました笑

 

困ったセルタは4バックに移行して右サイドの攻撃力を強化します。

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(ロボツカとベルトランの位置は逆)

しかしポルトゥを落として5-4-1で引きこもったジローナを崩せずに前半終了。

ハメドは修正を求められることになります。

 

ハメドの交代策を検証

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さて後半開始と共にモハメドは動きます。

アロンソに変えて試合日が25歳の誕生日のブファルを投入。ロンカリアを左サイドに持ってきてカピタンを右SBに戻して、4バックに専念できるようにしました。

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ブファルは右で幅をとることもしますが、逆サイドへ自由に動くことも多いです。

その結果・・・

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 ドリブラー二人が左サイドに固まって渋滞・・・

シストちゃんがドリブル→詰まる→ブファルへ横パス→ブファルがドリブル→取られるという悪夢のようなプレーも。

 

ブファルは敵陣にどんどん突っ込んでいって、かき乱してくれるのはいいのですが、選手の配置がごちゃごちゃになってしまいました。

さ・ら・に

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マキゴメとアスパスが丸被りするシーンも。さすがに前線に自由を与え過ぎで秩序がなくなってしまっています。

これでは2ライン間にボールを送っても、どうしようもありません。

結局、ボールは保持できますが凹型にボールが循環するだけでサイドで詰まってしまいます。期待点も65分ごろまでロクに上昇していません。これは質の良いチャンスを作れていなかった証拠です。

 

そしてセルタは手痛い代償を払うことになります。

凹型にボールが回っていく途中にロンカリアがポルトゥ達に挟み撃ちにされるとボールをロスト。そこからポルトゥがワンツーで抜け出して一気にゴール前へ。

ストゥアーニがプレゼントパスを正確に決めてドブレーテ。必然の失点でした・・・

 

窮地に立たされたモハメドは、前線の選手の渋滞の解決へ乗り出します。

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66分にシストに変えてCFのエッカートを投入。ブファルを左固定にして、アスパスに右サイドを任せます。

 

これで前線のポジショニング被りは大分改善され、期待点も伸びています。

しかし、最もゴール前に置きたい人をゴールから遠ざけてしまっています・・・

 

正直これなら3センターにしてしまって役割分担を明確にするとともに、捕まえづらい2列目からの飛び出しをしやすくした方が良かったのではないでしょうか?

と思って、ベンチを見るとピボーテタイプのオカイとブライスしかいません・・・

確かにブライスはしっくりきそうですが、イェンセン、もしくはホサべという選択肢があっても良かったかなと。

 

この交代によってゴール前の圧力はかなり増しましたが、クロス爆撃をし続けるというプランではありませんでした。

 

この後も再三攻撃を仕掛けるもののゴールは遠く、逆にポルトゥにボールを集めて運ばせるカウンターを何度も食らっていました。

ベルトランに変えてブライスで、さらに攻撃的な布陣に。

しかしジローナの圧縮された2ライン間を攻略することは厳しく、時間だけが過ぎていくのでした。

 

87分にようやく2点目。うまく大外のカピタンにボールを振り、走りこんできたロボツカに絶妙なスルーパス。そこからふわっとしたクロスをブファルが素晴らしいボレーでゴールに叩きこみました。

やはり2列目からの飛び出しが利いてくるはずだった証拠のようなゴールでしたw

 

しかしカウンターの流れからカブラルが2枚目のイエローをもらって万事休す。

2-3で今季初の黒星を喫したのでした・・・

 

統計データから考えてみる。

結局セルタはジローナの倍の603本のパスを通し、アウェーゲームにも関わらず66パーセントというポゼッション率を示しながら敗戦しました。

期待点を見るとジローナが1.81点、セルタが1.16点とジローナの方が質の良いチャンスを多く作っていたこと伺えます。

 

また、期待点と実際のスコアの差を見るとジローナの方が+1.19点と非常に正確にチャンスをものにしていたと考えられます。アシストの質が多少悪くても、決めきってしまっていたのでしょう。

 

結局のところ、ジローナはパスの本数が少ないながらも、質の良いチャンスを作り、それに対しての決定率も良かったと言えます。彼らの攻撃の効率の良さがうかがえますね。

 

感想

早くも自分の悪い予想がバリバリ的中してしまった・・・

先制点を取られてしまったときの対応は難しいものであるが、うまく修正出来るようになって粘り強く戦えるチームになってほしい。

 

また初めて統計データをレビューに取り入れてみたが、なかなか面白かったと思う。サッカーは証拠を明確に示して考えを表明することが難しいが、この数値化は協力な手助けになると思った。

 

一方でこの数字から意味を見出すのは、我々人間であると感じた。これからもサッカーを見る目を養ってかなければ!笑

 

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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